安達としまむら 11 超短い感想

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 相変わらず綿菓子みたいなかき氷みたいな、ふわふわ漠然とした詩みたいな小説だった。今回はしまむら目線、小中高校に大学の時系列の短編集。徹底して二者関係を描くなかで、小学校時代の樽見、中学時代の「初恋」と対比させるように、高校大学での安達との恋人関係を描く。漠然と「ずっと樽見の隣にいるのだろう」と思っていた小学校時代と、静かながらもその先も安達の隣にいることを確信している高校大学時代。人付き合いって儚くて素敵ね。

 サンチョとかパンチョとか、先輩とか、誰が現れてもあくまでも二者関係への刺激に過ぎなくて、三者以上の関係に発展していかないのがあだしまに徹底されてるところだと思う。母同士とか、日野とながふじとか、妹とヤシロとか。

 

 次で終わりは寂しいね。まあ僕らの目が及ばないところでもよろしくやってくれたまえ……。